看護師の基本的な仕事の一つに診察の補助や患者のサポート業務があるが、眼科には眼の機能に不調を抱えている人や視力が低下している人が多く訪れることから、患者に対するより一層の配慮が必要となる。そのため、眼科で勤務する看護師は、患者が診療を受ける中で危険なことがないか、見えにくくて不安に感じている人はいないかということを常に頭に置いて、周囲に気を配りながら臨機応変に対応するスキルを持ち合わせていることが望ましい。そのほか、眼の不自由な患者でも安心して通院ができるように、きめ細かな声掛けを行えるコミュニケーション能力や患者の立場で動ける能力も重要となる。白内障手術などの眼科手術に対応している病院で勤務する場合には、医師と共に手術に立ち会って介助する機会が増える。手術全体の流れを把握しておくのはもちろんのこと、安全に手術を実施するために眼科の専門的な知識も求められるので、日頃からの勉強の積み重ねが大切である。そのほか、手術中に起こりうる万が一のトラブルや術後の急変に対して、冷静に対処できる対応力も期待されている。また、病院内に視能訓練士が常駐していない場合には、眼科で行うさまざまな検査を看護師も行うことになる。眼科治療の根幹となる視力検査、眼圧検査、視野検査、眼底検査といった視機能検査をはじめ、視能矯正、視能リハビリなどを正しく行えるよう、各種医療機器の操作手順や検査内容に関する専門知識についても精通している必要がある。